楽天スーパーロジスティクス(RSL)とは?サービス内容や配送など詳しく解説

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多くのEC事業者にとって商品の受注から出荷までの物流関連業務は大きな負担になります。特に楽天市場に出店している方の中には、楽天スーパーセールの際に業務量が増えてしまうなどの悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では楽天が提供する物流アウトソーシングサービスである、楽天スーパーロジスティクスについて紹介します。サービス内容や導入の流れ、配送に関してのよくある質問など詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

RSL(楽天スーパーロジスティクス)とは

楽天スーパーロジスティクス(以下、RSL)とは、楽天が楽天市場の出店者向けに提供している物流支援サービスです。EC事業者にとって切っても切り離せない物流業務ですが、作業工数が多く場所も人材も必要となるため、非常に負担が重い業務です。

RSLは商品の保管から受注した商品の梱包、配送業者への引き渡しを一括で請け負っています。EC事業者にとっては、煩雑な物流業務を手放して基幹業務に集中できるなど、メリットが大きいサービスとなっています。

RSLのサービス内容

RSLが提供しているサービスについて、以下の3つの項目に沿って解説します。

  • 物流業務の代行
  • オプションサービス
  • RSLの利用料金

物流業務の代行

RSLのメインサービスは、EC事業者の物流業務の代行です。以下はRSLを利用して顧客に商品を届ける一連の流れを表した図です。

画像引用:Rakutenロジスティクスサービス

顧客に商品を届けるまでの以下の4つのステップに沿って、詳しく解説します。

  1. 入荷
  2. 保管
  3. 梱包
  4. 配送

STEP① 入荷

RSLを利用すると、EC事業者は仕入れ先に発注をかけるだけで入荷業務が終了します。仕入れ先から直接、楽天フルフィルメントセンター(以下、RFC)の倉庫に商品を入荷することができるため、運び入れ業務など入荷に関わる作業を全てアウトソースすることが可能です。

STEP② 保管

入荷した商品はRFCの倉庫で保管されます。なお、2024年5月現在、RFCの倉庫は以下の6拠点に構えられています。

画像引用:Rakutenロジスティクスサービス

STEP③ 梱包

RSLではクロスモールなどの受注管理システムと連携し、そのシステムを通してEC事業者からRSL宛てに出荷指示を出します。出荷指示を受けたらRFC倉庫内で梱包作業を行います。

STEP④ 配送

梱包を終えた商品は、配送業者に引き渡されます。配送業者は日本郵便です。

オプションサービス

ここまで解説した物流業務の代行がRSLの基本サービスになりますが、その他にも豊富なオプションサービスが用意されています。

例えば、食品や飲料、サプリメントを扱う場合は消費期限の管理が必要です。RSLでは消費期限を把握の上、期日が近い商品からの出荷を依頼することが可能です。その他にも、ギフトラッピングやチラシなどの同梱、海外からのコンテナ入庫など、販売する商品やサービス内容によって、柔軟な運用が可能です。

RSLの利用料金

RSLの料金体系は非常にシンプルで、以下の4つの料金で算出されます。

  • 在庫保管料
  • 出荷作業料
  • 資材料
  • 配送料

例えば、10日間保管した靴を80サイズで出荷した場合、利用料金は518円(税抜)になります。料金の内訳は以下のとおりです。

  • 在庫保管料 19円
  • 出荷作業料 80円
  • 資材料 39円
  • 配送料 380円

自社の利用料金がどのくらいになるかを具体的に知りたい場合は、見積もりを取ることが可能です。なお、配送料は北海道や沖縄・離島も含め全国一律料金で設定されています。

RSLを利用するメリット

次に、EC事業者がRSLを利用する以下のメリットについて解説します。

  • 楽天スーパーセールなどへの対応力を強化できる
  • 配送スピードが上がり、あす楽にも対応できる
  • 専任の楽天コンサルタントからサポートを得られる
  • 最低限の人員で基幹業務に集中できる
  • 楽天市場以外のモールで受注した商品の配送も依頼できる

楽天スーパーセールなどへの対応力を強化できる

年4回のペースで開催されている楽天スーパーセールですが、楽天スーパーセールの時期に業務量が大幅に増え、出荷作業がパンク状態になってしまったEC事業者も少なくないと思います。楽天市場のセールは広くユーザーに認知されているため、セールの時期を待って商品を購入するユーザーも多く、平常時とセール開催時で繁閑の差が大きくなってしまいがちです。

セール開催時に最も業務量を圧迫するのは物流関連業務なので、RSLに物流業務をアウトソースできれば、セール開催時でも落ち着いて作業が進められ、セール施策の実施や顧客対応といった基幹業務に集中できるようになるでしょう。

忙しくなりすぎると梱包の質の低下や配送遅れが懸念されますが、物流を専門とするRSLであれば、そういった心配もありません。

配送スピードが上がり、あす楽にも対応できる

配送スピードが非常に速いこともRSLを利用するメリットのひとつです。午後15時30分までの出荷指示で翌日配送を行っており、あす楽への対応が可能です。ただし、利用する倉庫の拠点や配送先によっては翌日配送が難しい場合もあります。

出荷は365日行われており、年末年始やお盆、GWなども出荷対応を行っています。自社で梱包・出荷作業を行っていると自社が休業の日には顧客への配送が遅れてしまうことがありますが、RSLには常に一定のペースで出荷を依頼できるため、競争力の強化にも繋がります。

専任の楽天コンサルタントからサポートを得られる

RSLを利用する際は、楽天の物流コンサルタントからのサポートを得られます。見積もり・申し込みからシステムの導入、安定して稼働できるようになるまで一連でサポートが入るため、物流業務のアウトソーシングが初めての場合でも安心して取り組めます。

最低限の人員で基幹業務に集中できる

物流業務は多くの人員を必要とするため、物流業務を丸ごとアウトソースできれば最低限の人員でECサイト運営ができるようになります。基幹業務に集中できるようになるため、売り上げアップに繋がることが期待できます。

楽天市場以外のモールで受注した商品の配送も依頼できる

楽天市場以外にも複数のモールに出店しているEC事業者も多いかと思いますが、RSLでは楽天市場以外のモールで受注した商品の配送にも対応しています。配送料は楽天市場分と同一料金で、段ボールなどの梱包資材に「Rakuten」のロゴは記載されません。多くのモールに出品していたり、モール別の出荷で出荷業務が複雑化したりしているEC事業者には、非常におすすめです。

RSL利用時の注意点

次に、RSLを利用する場合の注意点について、以下4点解説します。

  • 外注コストがかかる
  • 導入までに時間がかかる
  • 受注管理システムの導入が必要
  • 大型の商品は取り扱いできない

外注コストがかかる

業務をアウトソーシングする以上、外注コストは必ず発生します。現状、物流業務にどのくらいのコスト(人件費や倉庫関連費用)がかかっているかを算出し、いくらまでなら外注コストをかけられるかをシミュレーションした上で見積もりを取るとよいでしょう。

また、一度外注した業務は再内製化する際にもコストがかかります。物流業務の場合、人員を再度採用して教育する、倉庫・作業スペースを再確保するといったコストがかかるため、一度外注した業務は外注し続けることが基本の運用となります。ランニングコストとなる外注費を支払い続けられるかは慎重に判断したいポイントです。

導入までに時間がかかる

RSLは申し込みをしてからすぐに利用できるサービスではありません。見積もりから利用開始までにどのくらいの時間がかかるかは各社の状況によって異なりますが、1カ月以上必要になることが多いです。

次回の楽天スーパーセールに間に合わせたいなど、導入期限の目標がある場合は早めに見積もり・申し込みを行うようにしましょう。RSL導入までの具体的な流れについては後ほど詳しく解説します。

受注管理システムの導入が必要

RSLを利用するには、BOSSやクロスモール、ネクストエンジンといった受注管理システムの導入が必要です。現在受注管理システムを導入していない場合は導入作業が必要となり、受注管理システムの利用にも料金がかかる点に注意が必要です。

大型の商品は取り扱いできない

商品の3辺の合計が160cmを越える大型商品はRSLでは取り扱いできません。他にも、危険物や冷蔵・冷凍品、組み立てが必要な商品など、取り扱いができない商品があります。自社の商品が取り扱いできるか不安な場合は、見積もりの際にRSLに聞くなどして事前に確かめるとよいでしょう。

RSL導入までの流れ

次にRSL導入の流れについて解説します。RSL導入は以下の4つのステップで行います。

  1. 見積もり
  2. 導入前のコンサルティング
  3. 各種ツール設定および運用テスト
  4. 利用スタート

STEP① 見積もり

RSLの利用を検討し始めたら、まずは見積もりを取りましょう。すでに楽天市場に出店している場合は、担当のコンサルタントもしくは店舗運営Naviに問い合わせます。これから楽天市場に新規出店する場合は、新規出店コンサルタントに問い合わせることで見積もりを取ることが可能です。

見積もりフォームに入力すると、RSLの担当者から電話でヒアリングが入ります。完成した見積もりの内容に問題がなければ契約の作業に入ります。なお、ヒアリングから見積もり提示までにかかる期間は1週間程度です。

STEP② 導入前のコンサルティング

RSLと契約をしたのち、専任の物流コンサルタントによる導入コンサルティングが行われます。コンサルティングでは自社の状況のヒアリングを受け、入荷計画の作成やRSLの倉庫を利用するために必要な情報の登録が行われます。

STEP③ 各種ツール設定および運用テスト

次にRSLの運用に必要な各種ツールの設定が行われます。受注管理システムを利用していない場合は適切な受注管理システムを導入し、RSLと連携するための設定を行います。

各種ツールの導入および設定が終了したら、次に運用テストを行います。入荷から出荷までの一連の流れを行うための操作テストを行ったり、RSLの倉庫内のどこに商品を保管するかを決定したり、具体的な運用に向けて必要な準備を行います。

STEP④ 利用スタート

各種ツールの設定と運用テストが終わったら、いよいよRSLの利用がスタートします。担当の物流コンサルタントと二人三脚で安定稼働を目指しましょう。

フルフィルメント by Amazon(FBA)との違いは?

次に、RSLとよく比較されるフルフィルメント by Amazon(以下、FBA)との違いについて解説します。FBAとはAmazonが提供している物流支援サービスです。以下の4つの項目に沿って解説します。

  • 料金体系
  • 配送スピード
  • 梱包材
  • 配送業者

料金体系

RSLの最大の特徴は、配送料が北海道や沖縄・離島も含め全国一律である点です。また楽天市場以外のモールで受注した商品の配送料も一律となっています。一方、FBAの場合はAmazonで受注した商品と他モールで受注した商品とでは、他モールで受注した商品の方が配送料が高くなります。

一方、在庫保管料に関してはRSLはやや高めの料金設定となっています。Yahoo!ショッピングで利用されるヤマト運輸フルフィルメントサービスと比較してもRSLの方が高くなっています。

配送スピード

配送スピードに関しては、RSLの方が速い傾向にあります。RSLでは通常配送の場合、15時30分までに出荷指示を行えば対応エリア内の翌日配送が可能です。しかし、FBAの通常配送に関してはこうした出荷日の取り決めはありません。

一方、FBAは東京や大阪・神奈川といった一部の首都圏に限り、当日配送のサービスを行っています。RSLは当日配送は行っていないため、都市部を中心に配送スピードで差別化したいEC事業者にとってはFBAの方が利用価値が高いといえます。

梱包材

RSLもFBAも他モールで受注した商品の出荷に対応していますが、RSLは楽天のロゴが記載されていない梱包資材で出荷を行っています。一方、FBAの場合は梱包資材にアマゾンのロゴが記載されており、ロゴが記載されていない段ボールなどでの出荷を希望する場合には、別途申請を行う必要があります。

配送業者

RSLは日本郵便と提携しており、日本郵便の配送網を生かしたクオリティの高い配送が可能です。一方、FBAの場合は大手から中小まで様々な配送業者と提携しているため、配送のクオリティに差が生じやすいといわれています。

RSLの配送に関してよくある質問

最後にRSLの配送に関して、よくある質問について解説します。

RSLを利用した場合のリードタイム(日数)は?

あす楽対応エリアの場合は、15時30分までの出荷指示で翌日配送が可能です。利用拠点および届け先によってリードタイムは異なりますが、楽天スーパーセールなどの繁忙期も含めリードタイムが安定していることはRSLの強みです。

RSLを利用した場合、追跡は可能?

日本郵便の郵便追跡サービスを利用して追跡することが可能です。メール便にも追跡番号が付与されています。

物流業務をアウトソースすれば、売り上げアップにも貢献!

本記事では、楽天市場の物流アウトソーシングサービスであるRSLについて詳しく解説しました。

EC事業者にとって大きな負担となる物流業務を丸ごと外注できれば、基幹業務に集中できるようになり、売り上げアップに貢献することが期待できます。利用を検討する場合は、かけられるコストを把握のうえ、まずは見積もりを取ってみましょう。

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