EC-CUBEからShopifyへ移行する方法

ECサイトを運営する中でも、事業規模の拡大や方向性の変更で、EC-CUBEやmake shop、カラーミーショップといったECプラットフォームサービスからShopifyへの移行を検討することがあります。しかし、いざ移行を考えてみても以下のような疑問を持ってしまうことはないでしょうか。

Shopifyへの移行ってどんな方法があるの?」
「移行する場合、どこまでデータを保持することができるのだろうか?」
「移行するのに手順はどうなっているの?」

この記事を読めば、これらの悩みが解消されてどのような順序や方法でShopifyへの移行ができるのかを理解できるようになります。

Shopifyへの3つの移行方法を紹介

Shopifyへの移行方法は3つあります。ここではそれぞれの方法を紹介したいと思います。

1.データを手作業でコピー・ペーストして移行する。

こちらの方法は手作業になるため、時間がかかるかつ、作業ミスが発生する可能性があります。今まで蓄積した大切なファイルやデータを問題なく移行することを考えると、あまりおすすめできる方法ではありません。

2.CSVファイルを使って手動でデータを移行する

こちらも①ほどではないですが、手作業になるため作業コストの増加と作業ミスの可能性が出てきます。また、転送可能な内容も顧客情報と商品情報のみになってしまいます。ECサイトができたばかりで移行データが少ない場合は、スムーズに出来ますが、事業が大きくなっている場合はお勧めできません。

3.専用のアプリを使用してデータを移行する

これが最もスムーズにかつ作業ミスがなく移行できる方法になります。移行に使用するアプリでは※Matrixifyというアプリがお勧めです。大量のデータ移行に対応できるだけでなく、カスタマーサポートも充実しているため、安心してデータ移行が行えます。

※Matrixifyは月額無料〜月額$200で利用可能です。移行するデータ量によって金額プランが変動します。

移行することでどこまで内容を引き継げるの?

ECサイトの移行で引き継げるデータは以下の4つです。

▼引継ぎ可能なデータ

  • 住所や名前などの顧客情報
  • 取り扱っている商品情報
  • 注文履歴などの受注情報
  • ブログや記事などのコンテンツ

上記の4つはECサイトが保持する大半の情報のため、これらを引き継ぐことができれば移行はほぼ完了したことになります。しかし、上記に当てはまらない細かい情報は、移行先で再度設定する必要があるので注意しましょう。具体的には以下のようなものです。

▼引き継ぎができない(再設定の必要がある)データ

  • 決済の方法
  • サイトのデザイン
  • 配送料金の設定
  • 顧客のパスワード(ユーザーに再設定してもらう必要があるため、注意が必要です。)

移行ができないものは再設定の必要があるため、移行をする前にメールなどでサイトリニューアルの告知やパスワード再設定の必要があることはユーザーへ連絡するようにしましょう。

移行の手順について

移行の手順は以下の10個になります。ここではこれらの内容を順番に説明していきます。

①事前のチェックを行う
②ストア情報やデータをShopifyへ移行する
③問題なくデータが移行されたか確認する
④移行後のサイトのデザインを調整する
⑤ドメインの設定をする
⑥配送を設定する
⑦税金の設定をする
⑧決済サービスを設定する
⑨テスト注文を行う
⑩お客様を招待する

①事前の準備を行う

まずは実際に移行を行う前に準備を行いましょう。チェックするべき内容は以下の3つです。

Shopifyにある公式のECサイトの移行時に考慮する必要があることをチェックする
パスワードやリダイレクトの設定など、重要な注意事項について書いてあります。十分に確認して抜け漏れなく対応できるようにしましょう。

・お客様へのコミュニケーションを設計する
サイト移行をすると、パスワードやデザインが変更されます。お客様が混乱しないように事前の連絡を行いましょう。

・顧客情報にデータ欠損など不備がないかチェックする
データの移行は欠損があると正常に行えません。顧客情報が最新のもので、移行するべきものが全てしっかり揃っているかチェックするようにしましょう。

②ストア情報やデータをShopifyへ移行する

前述の通りデータのShopifyへの移行方法は3つです。

1.データを手作業でコピー・ペーストして移行する。
2.CSVファイルを使って手動でデータを移行する。
3.専用のアプリを使用してデータを移行する。

基本的には3の方法がオススメです。Matrixifyを使用して、データの移行を行いましょう。移行するデータが少ない場合は2もオススメですが、転送可能なデータは商品情報と顧客情報のみになるので、注意しましょう。

③問題なく商品データが移行されたか確認する

データ移行後は問題なく移行が行われたか確認をしてみましょう。具体的には以下の4つを確認するようにしましょう。

  • 商品説明の文章
  • 商品画像
  • バリエーション
  • メタディスクリプション

これらの内容を確認した後は、商品の分類を整理しましょう。カテゴリごとに分類することで、管理者が扱いやすくなるだけでなく、ユーザーが商品を見つけやすくなります。必要に応じて在庫管理アプリなどの導入も検討してみましょう。

④移行後のサイトのデザインを調整する

移行直後はサイトのデザインがShopifyのデフォルトのテーマになっています。Shopifyには多くのテーマが用意されているため、自社のサイトにあったデザインを導入するようにしましょう。

Shopifyのテーマに関しては以前、以下の記事にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

⑤ドメインの設定をする

ドメインの設定はECサイトを運営する上でとても重要のため、この移行のタイミングで設定するようにしましょう。ドメインの設定方法は2通りあります。

①プライマリードメインを設定する
→これはShopify開設時にデフォルで設定されているドメインで「〜.myshopify.com」で設定されているドメインです。このドメインを使用する場合は特別な対応は必要ありません。

②外部で購入したドメインを設定する
→ドメインを独自で設定する場合は、外部で購入することで対応可能です。その方法についてはShopifyの公式ページで紹介されているので参照してみてください。

⑥配送の設定をする

顧客トラブルを避けるためにも配送の設定は重要になります。例えば、移行前のECサイトと比較して配送料金に相違が出ると、トラブルに繋がってしまいます。特に注意するべき項目は以下の通りです。

  • 配送料金
  • パッケージの寸法
  • 配送エリア

他にも、フルフィルメントサービスなどShopifyでは配送に関する細かい設定が可能です。移行のタイミングでしっかりと確認をして設定するようにしましょう。

⑦税金の設定をする

税金は料金に関わるため、正しい設定が必須になります。特に越境ECで海外へ配送を行う場合は、国や週によって税率が異なります。十分に下調べをした上で設定するようにしましょう。

⑧決済サービスを設定する

決済サービスを充実させることは購入率を引き上げるためにも非常に重要です。ShopifyにはShopifyペイメントという独自の決済サービスがあるため、導入をおすすめします。以前Shopifyで使える決済サービスについての記事も公開したので是非チェックしてみてください。

⑨テスト注文を行う

ここまでの設定が完了したら、問題なく受注処理が行われるかテストをしてみましょう。具体的なテスト注文の方法はShopify公式ページでも確認できます。以下のような事例をいくつか試してみて問題がないことを確認しましょう。

  • 成功した注文と失敗した注文のテスト
  • 注文の返金とキャンセル
  • 成功した注文の履歴情報の確認

⑩お客様へのECサイトリニューアルの連絡をする

これらの作業が完了したら、最後にお客様にECサイトリニューアルの連絡をしましょう。移行直後はお客様からの注目を集めるため、セールなどを実施することで大きく売上を上げるチャンスになります。新しくなったECサイトでお買い物を楽しんでもらえるように、メールやLINEなどでお客様に連絡をしましょう。

移行における注意点

アセットから特定のプロトコルを削除する

Shopify移行時にはテーマファイルやスタイルシート、画像などの全てのアセットのURLから「http:」「https:」「ftp:」といったプロトコルを削除する必要があります。「//」以降の情報だけを残すようにしましょう。

URLリダイレクトの設定を行う

既存の顧客がECサイトをブックマークしている可能性があるため、URLリダイレクトを行う必要があります。この対応をしないと、ブックマークが正常に移行後のページに繋がらないため、アクセスを失う可能性があります。URLリダイレクトの方法はShopify公式ページより確認ができます。

新しいパスワードの設定を促す

顧客パスワードは暗号化されているため、移行では引き継ぐことができません。お客様にはサイトリニューアルの連絡と合わせて、再度パスワードを設定するように依頼をしましょう。

記事、ブログの移行に対応する

記事やブログの埋め込み画像を移行する場合は、相対パスを使用します。
よりスムーズに移行するためには以下の対応方法を検討してみてください。

  • メディアファイルを外部でホスティングする
  • Shopifyアプリを使用する

まとめ

以上が他のECサイトからShopifyへの移行する方法です。Shopifyは世界シェアNo.1のECプラットフォームサービスであり、機能面・カスタマーサポートも充実しているため、移行によるメリットは沢山あります。しかし、移行はトラブルリスクの発生やお客様への説明の必要もあります。移行を検討する場合はそれらのメリット・デメリットを踏まえた上での判断をしましょう。その上でShopifyの移行を行う場合はこちらの内容を参考にしていただけると幸いです。