ECサイトを運営する上で決済サービスの充実は欠かせません。利用者の利便性は商品を購入してもらえるかに大きく関わるため、決済サービスの導入次第で売り上げが大きく変わります。
Shopifyでは多くの決済サービスを利用できますが、選択肢が多すぎて何を導入すればいいのかわからず、悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、Shopifyで使える各種決済サービスの種類や費用を一覧にするとともに、おすすめの決済方法や選び方、設定方法について解説します。
目次
Shopifyで使える決済方法一覧
Shopifyで使える主な決済方法を10種類ご紹介します。
Shopify ペイメント
対応決済方法 | クレジットカード Visa、Mastercard、American Express、JCB |
決済手数料 | 国内のカード 3.25%〜3.4% 海外のカード 3.8%〜3.9%(American Express) JCB 4.05%〜4.15% |
振込手数料 | 無料 |
Shopifyが提供する公式の決済方法です。決済手数料も低く振込手数料は無料、導入も簡単な決済方法がShopify利用初期から使えるようになっています。
多通貨決済にも対応できるので、海外への販売にも対応できる便利なシステムです。
Shopifyペイメントを導入すれば多くのクレジットカードプランが使えるようになるだけでなく、shop PayやApple pay、Google payとも連携できます。Shopifyペイメントの決済画面でshop Payのアイコンにチェックを入れるだけで簡単に利用できます。対応決済方法や手数料も同じです。
Shop Pay
Shop PayはShopifyが提供する独自の決済サービスです。Apple PayやGoogle Payと同じように配送先住所や支払い情報を登録しておくことで、次回以降の購入の際に購入者情報の入力を省略できます。
ShopifyペイメントもShop PayもShopifyが提供しているサービスですが、以下のような違いがあります。
- Shopifyペイメント
キャッシュレス決済を導入しやすくするシステム。Shopifyで構築したショップでクレジットカードやApple PayやGoogle Pay、shop Payなどが利用できるようになる。 - Shop Pay
Shopifyが提供するPayサービス。Shop Payが有効化されているショップならばクレジットカード情報と住所をストアを横断して保存・使用することができる。
Apple Pay
Apple Payは、iPhoneやApple WatchなどApple製デバイスで利用できる決済サービスです。Appleユーザーは個人情報の入力が簡略化されて決済がスムーズにできるようになります。
Google Pay
Googleユーザーは個人情報の入力の手間が省けるので、カゴ落ちの防止に繋がります。
Amazon Pay(アマゾンペイ)
対応決済方法 | クレジットカード Visa、Mastercard、American Express、JCB |
決済手数料 | 4% (デジタル商材は4.5%) |
振込手数料 | 無料 |
Amazon PayはAmazonアカウントを持つユーザーが簡単に決済できるようになるサービスです。Amazonアカウントでログインすれば自動で個人情報の入力されます。
Amazonは世界の主要各国でも利用者が多く、Shopifyペイメントで簡単に導入できるのでおすすめです。
PayPal
対応決済方法 | クレジットカード Visa、Mastercard、American Express、JCB、銀聯など |
決済手数料 | 3.6%+40円 (月額の取引量で変動) |
振込手数料 | 無料 (出金額5万円未満は250円/件) |
PayPalは多くの国々で利用されている決済方法です。海外のクレジットカード決済「銀聯」にも対応しているため、海外も視野に入れたEC事業の場合は是非導入をおすすめします。
KOMOJU
対応決済方法 | 日本円 |
決済手数料 | 3.6%(Visa, MasterCard) 3.85%(JCB, AmericanExpress) |
振込手数料 | 日本国内で3万円未満:216円 海外送金:2,500円 |
KOMOJUはクレジットカードやスマホ決済だけでなく、主要コンビニエンスストアで支払いができるようになる決済代行サービスです。
クレジットカードを持っていないユーザー(未成年など)や現金で支払いたいユーザーも購入しやすくなります。
携帯キャリア決済
対応決済方法 | dokomo、au、Softbank |
決済手数料 | 6.4%、15% (デジタルコンテンツ) |
振込手数料 | 0.5〜2.0%(Shopifyのプランにより変動) |
dokomo、au、Softbankの電話使用料金に商品購入代金を合算して請求できる決済です。
購入時にクレジットカードカード情報を入力する必要がなくなるため、購入のハードルが下がります。
Paidy翌月払い
対応決済方法 | 日本円 |
決済手数料 | 3.5% |
振込手数料 | 無料 |
paidy翌月払いはメールアドレスと携帯電話の認証コードで翌月払いの決済ができるサービスです。KOMOJUと同様に、クレジットカード以外の決済方法の導入を検討している方におすすめです。ユーザーの支払いが滞ってもPaidyが売上金を保証してくれるため安心して導入できます。
GMOイプシロン
対応決済方法 | クレジットカード(Visa、MasterCard、American Express、JCB) コンビニ決済 代引き決済 スマートフォンキャリア決済 GMO後払い決済 |
決済手数料 | 3.20% |
振込手数料 | 0.5〜2.0%(Shopifyのプランにより変動) |
GMO後払いが可能になる決済サービスです。分割払いやリボ払いにも対応、事業者は一括入金されるので管理の手間が省けるなどのメリットがあります。
SBペイメントサービス
対応決済方法 | クレジットカード(Visa、MasterCard、American Express、JCB、Diners) Webコンビニ決済 PayPay(オンライン) LINEPay キャリア決済 楽天ペイ |
決済手数料 | クレジットカード手数料3.10% PayPay(オンライン)3.45% |
振込手数料 | 0.5〜2.0%(Shopifyのプランにより変動) |
PayPayのオンライン決済の連携やその他キャリア決済、LINEPay、楽天ペイなど様々な決済手段のご導入が可能になるサービスです。
ワンタップで支払いができるのでユーザーも手軽に利用できます。
NP後払い
対応決済方法 | 日本円 |
決済手数料 | 設定プランにより変動(2.9〜5.0%+月額固定費、請求書発行料金等) |
振込手数料 | 0.5〜2.0%(Shopifyのプランにより変動) |
NP後払いは業界シェアNo.1の後払いサービスです。購入後にコンビニや銀行、郵便局、LINEPayなどで支払いをするので、クレジットカード情報の登録なしでも商品の購入ができるようになります。
NP掛け払い
対応決済方法 | 日本円 |
決済手数料 | 1.2〜3.6%(取扱商材などにより変動)+月額固定費、請求書発行料金等 |
振込手数料 | 0.5〜2.0%(Shopifyのプランにより変動) |
株式会社ネットプロテクションズが提供している法人・個人事業者向けの売掛払いサービスです。請求書の発行から代金回収、入金管理や催促まで株式会社ネットプロテクションズに任せることができます。万が一代金の未回収が発生しても代金を全額保証してくれるので安心です。
後払い.com
対応決済方法 | コンビニ払い 銀行振込 郵便振替 クレジットカード決済 スマホ決済(スマホを通じて支払いを行う) キャリア決済(携帯の利用料金支払い時に追加) |
決済手数料 | 応相談 |
振込手数料 | 0.5〜2.0%(Shopifyのプランにより変動) |
購入者が商品を確認してからコンビニや銀行などで支払える決済サービスです。10種類以上の決済手段があるので、決済画面でのカゴ落ちの防止に役立ちます。
Shopifyで使えるおすすめの決済方法
Shopifyではたくさんの決済手段がありますが、全てを導入すれば良いわけではありません。決済方法の導入には申請や審査が必要で手間がかかってしまうためです。
さらに、決済方法がありすぎると管理も大変になるので、ECサイトのターゲットユーザーがよく利用する決済方法を厳選しましょう。
特におすすめの決済方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Shopifyペイメントは必須!
Shopifyペイメントは外部サービスのアカウントがなくてもオンライン決済ができるようになるサービスです。Visa、Mastercard、JCB、American Expressなどの複数のクレジットカードブランドやshop Pay、Apple pay、Google payなどでの決済も使えるようになります。
Shopifyペイメントの主なメリットは以下の3つです。
- 初期費用や導入時の審査が不要
- 取引手数料がかからない
- 海外の通貨による決済にも対応できる
Shopifyを利用するならば、ぜひ導入したい決済方法です。
越境ECをする場合におすすめの決済サービス
海外への販売をするならばPayPalの導入がおすすめです。日本国内から海外に向けて商品を販売する場合、海外の購入者が使いやすい決済方法を導入しておかなければ、せっかく購入を検討していたとしても離脱されてしまうかもしれません。
PayPalは世界で3億6000万人以上が利用されており、海外の購入者が使いやすい決済方法と言えます。
Shopifyペイメントで各種クレジットカードやGooglePayなどの支払いに対応できるようにするのはもちろんですが、東南アジアや中華圏での利用者も多いPayPalを導入すれば、より幅広い国々へ販売しやすくなります。
若年層向けの商品を多く取り扱う場合
若年層向けの商品を多く取り扱う場合、電子マネー決済や前払い決済の導入がおすすめです。
未成年者ではクレジットカードが作成できないことや、不正利用を心配してクレジットカードに抵抗感があるため、コンビニで現金支払いをする前払いや、PayPayや楽天Payなどの電子マネーの利用を希望する利用者がいるためです。
事実、ジャックス・ペイメント・ソリューションズ株式会社の調査によると、2022年にECサイトを利用した際の決済方法で15〜19歳が一番多く利用した決済方法はコンビニなどで支払いをする前払い決済だとわかっています。
【2022年版|ネットショッピング利用状況と決済手段に関する調査】PRTIMES
年代によってよく利用する決済手段は変わってきます。GMOイプシロンやSBペイメントサービスを導入すれば、現金決済や電子マネーだけでなく、キャリア決済まで一括で使えるようになります。
若い世代が多く利用する決済手段が充実するので、ぜひ導入の検討をしましょう。
法人向けの商品を取り揃える場合
ネットショップでの販売は個人向けの商品ばかりではありません。
BtoB向けの商品でネットショップ運営を考えている場合におすすめな決済方法がNP掛け払いです。
NP掛け払いを使うことで、BtoB向けの請求書払いができるようになるのが大きなメリットです。
NP掛け払いを運営している株式会社ネットプロテクションズによると、企業の89.5%がBtoB取引の決済方法に請求書払いを利用していると回答しているとの調査結果を発表しています。
つまり、日本でBtoB向けのネットショップを運営するならば、請求書払いは重要な機能なのです。
NP掛け払いを利用すれば、請求書発行や代金回収だけでなく、督促や代金未回収のリスクも保証してくれます。
2022年の11月からNP掛け払いのアプリをインストール、運営会社との契約をすれば利用可能です。
「Shopify」における国内初のBtoB向け決済アプリとして「NP掛け払い」を提供開始
Shopifyで使える決済方法【番外編】
Shopifyでは上記で解説した他にも、対応できる決済方法があります。インターネット決済以外の方法や、これから主流になるかもしれない決済方法です。
ターゲットとなる購入者層に当てはまるならば、導入を検討してみましょう。
仮想通貨
2022年の5月からShopifyでも仮想通貨決済の利用が可能になりました。暗号資産決済サービス「Crypto.com Pay」や「BitPay」「Coinbase Commerce」などに対応しており、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、シバ(SHIB)など20銘柄が利用できます。
仮想通貨は換金が不要で、余計な手数料がかからないことや、海外との取引がスムーズに行えることがメリットです。
これから仮想通貨を利用する人が増えるほど仮想通貨決済の需要も増える、注目の決済方法といえます。
代金引換
代金引換は商品の受け取り時に、運送業者へ商品代金と運賃、手数料を支払ってもらう方法です。
「クレジットカードの不正利用が心配だが、後で銀行やコンビニに支払いをするのが大変なのですぐに支払いを済ませたい」と考える人がいるため、キャッシュレス決済が主流になった現在でも一定の需要があります。
事実、2021年から2022年でオンラインショップでの購入で7.8%の人が代金引換を利用したことがあるとの調査結果が出ています。(三菱UFLリサーチ&コンサルティング「キャッシュレス決済の動向整理」2022.9)
Shopifyで代金引換を使えるようにするには、管理画面から決済設定を選択して「その他の決済方法を有効にする」から設定をしましょう。
銀行振込
銀行振込はネットショップでの支払い方法として昔から一般的に使われている決済方法です。振り込みの手間はありますが、昔から馴染みがある安心から主に年配層から一定の需要があります。
銀行振込の機能は管理画面から「決済」、「その他の決済方法を追加」でBank Deposit(銀行振込)を選び、振込先の情報などを入力しましょう。
Shopifyで決済方法を追加する方法
この章では、これまで解説したShopifyで利用できる決済方法が使えるようにするための手順について解説します。
決済方法の追加手順
Shopifyで決済方法を追加するには、管理画面から設定できます。
管理画面の[設定]から[決済]を選びます。


「決済方法を追加」を選択

追加したい決済方法を探して「有効にする」を選択する。

アプリの注意事項を確認して「連携」する。

PayPalなど一部の決済サービスは、事前にアカウントの作成が必要になる場合があります。有効化の時点で決済サービスの画面にリダイレクトされたら必要情報を入力しましょう。
手動の決済方法の追加
商品の購入にクレジットカードを利用したくないお客様のために利用できるのが手動の決済方法です。手動の決済方法は代金引換や郵便為替、銀行振込などを外部サービスを利用せずに使えるようになります。
今回は銀行振込の方法についてご紹介します。手順は以下の通りです。
管理画面から[設定]を選択



「詳細」と「支払いの手順」を入力

詳細:チェックアウトの決済方法の横に表示される情報を入力
支払い手順:お客様が支払いをする際の手順について記入します。注文が完了されたら注文確認ページに表示されます。
有効化をクリックする
手動の決済手段を選んだお客様は、注文確認画面で支払いの手順が表示されるようになります。
決済方法を充実させてユーザーが購入しやすいサイト構築を目指そう!
今回はShopifyで導入できる決済方法について解説しました。
決済方法選びはターゲット層がよく利用するサービスを中心に充実させることで、決済画面でのカゴ落ちを防止し、売り上げのアップに繋げることができます。
クレジットカードやApple Payなど、ECサイトでよ利用される決済サービスはShopifyペイメントで簡単に導入が可能です。
越境ECで重宝されるPayPal、若年層に多く利用される電子マネー、現金主義の人が安心できる後払いなど、他の決済サービスもターゲットに合わせて導入し、ユーザーが使いやすいお店作りをしましょう。