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ECサイトによる海外展開を意味する「越境EC」。その越境ECで最も強力なプラットフォームと言われているのが「Shopify」です。
土地に縛られないECサイトで、海外に販路を広げようと考える事業者の方も多いでしょう。そのような方々からこのような質問をいただきます。
「Shopifyで海外展開するには何をしたらいいの?」
「言語切り替えについて、どのような設定が必要なの?」
「翻訳アプリのオススメを教えて」
このような疑問にお答えするために、今回の記事では越境ECにおけるShopifyの強み、言語の切り替え設定方法、オススメの翻訳アプリなどを解説します。
ぜひ越境ECを始める際の参考にしてください。
越境ECに強いShopifyの特徴
Shopifyが「越境ECに強い!」と言われる理由を解説します。
グローバルECプラットフォーム
Shopifyは175カ国以上に展開しているECプラットフォームです。日本で開設したストアも、海外販売の設定をするだけで世界各国で販売することが可能になります。
世界で販売する場合、「ローカライズ」(その国や地域に合わせて最適化すること)がとても重要です。Shopifyでは国や地域によって表示するページを切り替えたり、国や地域ごとにデータを取得し分析することができます。
日本製のECプラットフォームでも越境EC自体はできますが、ローカライズの観点でShopifyには及びません。グローバルに展開しているからこその強みを活用しましょう。
多言語・多通貨に対応
国境を越えて商品を販売する越境ECでは、言語と通貨への対応は必須です。
最近はGoogle翻訳など、ブラウザに初めから翻訳機能が付いている場合も多くあります。しかしブランドの特徴や商品の魅力などの細かいニュアンスを正確に伝える際にはまだまだ十分ではありません。
Shopifyは多言語に対応しているテーマが豊富にあり、優秀な翻訳アプリも多くあります。これらを組み合わせることで、日本以外の言語で見ても違和感のないECサイトを表示することが可能です。
通貨においては、各国のユーザーが使用する現地通貨で商品価格を確認できるようにすることがとても重要です。各国の通貨への対応は、Shopifyの管理画面設定とアプリの導入で簡単にできます。
通貨の設定方法はこちらの記事を参考にしてください。
多様な決済方法に対応
越境ECにおいて、ユーザーが普段利用している決済方法を用意できるかは、売上に強く影響を及ぼします。Shopifyは100以上の決済方法をサポートしています。
日本では決済にとても利用されているPayPayも、海外の多くの国では利用できません。Shopifyはこのような特定の国や地域でしか利用できない決済方法にも対応しています。もちろんShopifyはPayPayに対応しています。
各国に根付いた決済方法を導入することで、購入者はストレスなく商品を購入できますので、ユーザーの満足度の向上が期待できるでしょう。
Shopifyで言語の切り替えは3ステップでできる
ECサイトに言語の切り替え機能を設定する手順を解説します。
ステップ1:言語の追加
まずはストアに言語を追加します。管理画面の「設定」より「言語」を選択します。
「言語を追加」のボタンをクリックし、表示されるポップアップの「言語」のプルダウンから、追加したい言語を選択します。そして「追加」をクリックします。
画面に言語が追加されました。この状態ではまだ利用できません。
追加した言語は「非公開の言語」にありますので、公開していきます。言語の横の「…」をクリックし、「公開」を選択すると利用できるようになります。
ステップ2:言語セレクターの設定
ユーザーが言語を切り替えできるように言語セレクターを用意しましょう。多言語に対応しているテーマでは、言語セレクターがデフォルトで準備されている場合が多いです。
今回の参考画像は無料テーマ「DAWN」を使用します。使用するテーマによって、セレクターの表示方法が異なりますので、注意してください。
「オンラインストア」の「テーマ」より「カスタマイズ」をクリックし、カスタマイズ画面を開きます。
「フッター」の箇所を見ると、「言語セレクターを有効にする」のチェックボックスがありますので、チェックを入れます。
ストアの画面に言語セレクターが表示されました。
言語セレクターがないテーマを使用している場合には、Shipifyの無料アプリ「Geolocation」で簡単に導入可能です。
ステップ3:翻訳アプリの追加
実際のページ画面を表示し、言語セレクターを切り替えてみると、表示が変更される箇所とされない箇所があります。
日本語から英語に切り替えても「新作」の見出しと説明文が変わりません。
テーマに元々設定してある表記は言語セレクターで切り替えができますが、サイト運営者が自身で入力した文章やテーマが対応していない言語は、言語セレクターで切り替えができません。
そこで翻訳アプリを組み合わせます。
今回はShopify公式が提供している翻訳アプリ「Translate & Adapt」を使用します。
このアプリでは「自動翻訳」と「手動翻訳」で翻訳設定ができます。
「自動翻訳」を利用するとGoogle翻訳を活用して翻訳を行います。手動翻訳では、特定のテキストの翻訳を自身で設定することが可能です。
この翻訳アプリを使用して、見出しと説明文を自動翻訳します。アプリの画面で「自動翻訳」をクリックします。
画面を確認してみます。
英語に自動翻訳ができました。これでも問題はありませんが、「new work」の部分を手動翻訳で修正してみましょう。
アプリで手動翻訳したい箇所を表示します。
左側に日本語で設定した文章が記載されていますので、右側の英語の空欄に手動で英文を入力します。見出しと説明文にそれぞれ英文を入力しました。
保存して、先ほどの画面を確認してみます。手動翻訳で入力した内容が反映されています。
このようにアプリを活用して、多言語対応をしていきます。
おすすめの翻訳アプリについてはこの後に紹介する「翻訳・多言語化におすすめのShopifyアプリ」の項をご参考ください。
越境ECで言語を切り替える以外にすべきこと
海外に商品を販売する際に実施しておくことを紹介します。
マーケットを設定する
「マーケット」とはShopifyの管理画面における越境ECの設定項目のことで、設定した国々に対して商品を販売できるようになります。またマーケットごとにドメインや言語、価格などを設定したり、売上管理をしたりすることもできます。
マーケットは複数の国をグルーピングすることが可能です。例えば北アメリカ、アジア、EUのようにグルーピングしたり、送料別にエリアA、エリアBの様にグルーピングして使用します。
送料の設定
海外に商品を発送する際には、EMS(国際スピード郵便)や船便を使用することが多いですが、国内発送の場合に比べて送料は高くなります。
Shopifyではマーケットごとに送料の設定ができます。
また、送料の設定だけできていてもマーケットの設定ができていない国のユーザーは注文ができません。
マーケットと送料はセットで設定するようにしましょう。
海外向けの送料の設定方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
海外展開に適した決済方法を導入する
海外展開する際には、ユーザーが普段利用している決済方法を導入することがとても重要です。ユーザーは通常、そのECサイトのためだけに新たな決済方法の利用を始めようとは思いません。
例えば、アメリカ向けならPayPalがよく利用されます。マレーシアならBoostやFPXがよく利用されますが、おそらく日本の方はほとんど聞いたことがないでしょう。
このように海外に展開する際には、その国や地域の方々が普段使用している決済方法を導入することで、サイトの離脱を防止できます。
多通貨に対応したアプリを導入する
決済方法と合わせてその国の通貨でサイトを閲覧できるように配慮をしましょう。
もし円を使うあなたが海外のECサイトを利用した際に、リラやペソで支払いを求められたら困惑するはずです。実際には、カード決済をすると自動的に円換算で引き落とされますが、ユーザーは「円で購入できない」と誤認する可能性があります。また通貨のレートを確認する手間も発生します。
そこで表示金額を現地通貨に変換するアプリを導入し、ユーザーの利便性を高めましょう。
海外ユーザー向けにポリシーを設定する
海外のユーザーに販売する際には、特に配送ポリシー、返金ポリシー、連絡先情報(欧州に販売する場合)に修正を加えましょう。
発送日数や送料、返金に関する規定などは国内向けと異なるでしょうから、明記しておきます。
以上が大まかな越境ECの設定になります。これらの設定に不安がある場合には、プレイビットがサポートしますのでお気軽にお問い合わせください。
翻訳・多言語化におすすめのShopifyアプリ
Shopifyで翻訳・多言語化にオススメのアプリを紹介します。
Langify
Langifyは定評のある翻訳アプリです。このアプリを導入すれば、ページ翻訳だけでなく、通貨の切り替え表示、言語セレクターの表示、ユーザーへの母国語の推奨ポップアップなど関連する機能が網羅的に手に入ります。
価格は月額17.5ドルと少し高めなのと、日本語での設定はできないので注意が必要です。
Langifyには7日間の無料トライアル期間があります。
LangShop
LangShopはAIを活用した自動翻訳アプリです。このアプリは200以上の言語の中から最大20言語を選んで翻訳を行うことができます。このアプリでも通貨の切り替えや言語セレクターの表示が可能です。また日本語での設定も可能です。
機能が限定的な無料プランもありますが、5言語の翻訳で月額34ドル、20言語の翻訳をする場合には月額68ドルです。
LangShopは7日間の無料トライアル期間があります。
Interlingue
Interlingueは株式会社ミクスローグという日本の企業が提供している翻訳アプリです。一括翻訳やページごとの翻訳のほか、選択した文字列の翻訳も可能です。また手動翻訳にも対応しています。このアプリは大量の商品点数があっても翻訳表示の速度が早い、という点が強みです。
また日本語で設定でき、サポートも日本語で受けられます。さらに月額7ドルという低コストで利用可能です。
Interlingueには7日間の無料トライアル期間があります。
Transcy
Transcyも定評のある有名な翻訳アプリです。Langifyと同様に、ページ翻訳だけでなく、通貨の切り替え表示、言語セレクターの表示、ユーザーへの母国語の推奨ポップアップなどの機能が利用できます。
また設定画面も日本語に対応しています。しかし2023年7月現在、開発中のストアでは利用ができないので注意してください。
無料プランでは1言語の自動翻訳と1通貨のみ対応が可能です。1言語の手動翻訳を加えると月額11.9ドル、5言語対応で月額29.9ドル、20言語対応は月額59.9ドルで利用できます。
Transcyには7日間の無料トライアル期間があります。
言語を切り替えて、海外に販路を拡大しよう
今回の記事では言語の切り替えを中心に、越境ECに必要な点を解説しました。越境ECは難しいと思われがちですが、Shopifyを活用すれば、手軽に世界中に顧客を獲得できます。
越境ECや言語の切り替え設定について不安がありましたら、プレイビットがサポートいたしますのでお気軽にお問い合わせください。
今回の記事を参考に、海外展開を検討し売上アップを目指しましょう!