Shopifyで不正注文が起きたら?調査方法・対処法から防止策まで解説

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ShopifyでECサイトを運営していると、不正注文が発生する場合があります。不正注文をされた場合、売り上げは取り消され、送付した商品は返ってこないというケースもあります。

「不正注文をされたらどうしたらいいの?」
「不正注文を未然に防ぐ方法は?」

今回の記事では、上記のようなお悩みをお持ちの方に不正注文を未然に防ぐ方法や対処方法、不正注文をされてしまった場合の対応方法などを徹底解説します。記事を最後までご覧いただき、被害に遭わないように対策しておきましょう。

Shopifyにおける不正注文とは?

不正注文には大きく分けて下記2つのケースがあります。

  1. 詐欺による注文
  2. 注文後の受け取り拒否

不正注文の事例は、事前に把握しておきましょう。

以下、詳しく解説します。

不正注文の例①詐欺による注文

1つ目のケースは「詐欺による注文」です。詐欺による注文では「クレジットカードの不正利用によって商品が注文されてしまう」というケースがほとんどです。

詐欺による注文例は以下のとおりです。

詐欺による注文の流れ
  1. クレジットカードの情報を不正に取得した者が、Shopifyサイトで商品を購入
  2. 見に覚えのない決済に気づいたクレジットカードの所有者が、クレジットカード会社へ問い合わせ
  3. カード会社が不正利用かどうかを調査
  4. 不正利用が確認出来れば、ストア運営者へ連絡して入金を取り消し、カード所有者に返金(チャージバック)する

上記の流れで不正利用にされた場合、発送していた商品は返品されず、売り上げ金も返金しなければなりません。

Shopifyは基本的に、チャージバックへの保障などはないため、不正利用は未然に防ぐことが重要です。

不正注文の例②注文後の受け取り拒否

不正注文2つ目のケースは「注文後の受け取り拒否」です。いたずら注文や競合他社の嫌がらせ、転売目的の注文などで商品受け取りを拒否されることがあります。

いたずら注文や競合他社の嫌がらせの場合「代引き決済などで商品を購入し、商品が届いたら受け取り拒否をする」といったケースがあります。商品は返送されますが、販売機会の損失や、送料などのコストがかかります。

転売目的での受け取り拒否のケースは、ShopifyのECサイトで商品を仕入れたものの「転売先に注文をキャンセルされた」などの理由で、受け取りを拒否されるのです。

こういった不正注文は詐欺行為や迷惑行為にあたりますので、被害を受けてしまった場合は警察に相談するとよいでしょう。

Shopify公式が提供する不正注文解析機能

Shopifyには標準で「不正注文を解析する機能」が搭載されています。標準機能をうまく活用して、不正注文を未然に防ぎましょう。

不正解析を表示する

Shopifyは、一つひとつの注文で不正解析を行ってくれています。不正解析結果を確認することで、不正注文の可能性が高い購入者を確認できるのです。

不正解析の表示方法
  1. Shopifyホーム画面から「注文管理」を選択
  2. 注文履歴の中から確認したい注文を選択
  3. 注文ページの右側に「不正解析」という欄があるので確認する

不正解析を表示すると「配送先住所とIPアドレスの住所が一致しているかどうか」や、「過去に検知された不正注文と類似した動作をしていないか」など、各指標に基づいた解析結果を確認できます。

不正解析を確認すると、不正の可能性が高い注文を素早く把握でき、被害を未然に防げるのです。

不正勧告(警告マーク)を確認する

不正注文の疑いがある場合、Shopifyでは注文管理画面上に「警告マーク」を表示してくれます(下記画像参照)。

画像出典:Shopify

警告マークが表示されている場合は、注文ページ内で解析結果を確認しましょう。不正注文の疑いがある判断した場合、注文キャンセルや商品送付停止などの対処ができます。

不正勧告メールを受信する

決済方法としてShopifyペイメントを利用しているユーザーは、不正の可能性が高い注文が入った時点で、不正勧告メールを受信できます。まだShopifyからのメール通知設定をしていない方は、下記の手順で設定しておきましょう。

不正勧告メール受信設定
  1. Shopify管理画面の「設定」をクリックし「通知」を選択
  2. 「スタッフ通知」の欄を選択し「受取人を追加」ボタンをクリック
  3. メールアドレスを入力し「受取人を追加」ボタンをクリックすると設定完了

上記の設定をしておけば、不正勧告メールで通知を受け取れるため、不正注文を未然に防げます。

不正注文が疑われたときにするべき調査

不正の可能性が高い注文を受けた場合、下記のような調査をしましょう。

  • IPアドレスを確認する
  • メールアドレス・電話番号を検索する

以下、詳しく解説します。

IPアドレスを確認する

不正の可能性が高い注文はIPアドレスを確認しましょう。IPアドレスとは、ネットワークに接続する際に、PCやスマートフォンなどの機器に割り当てられる番号のことです。

IPアドレスを知ることで、注文者のおおよその位置情報を確認できます。もしも注文者のクレジットカード請求先住所と、IPアドレスの所在地が極端に離れていた場合、不正注文の可能性が高まるのです。

IPアドレスは、Shopifyの「注文管理」から個別の「注文ページ」を開き、右側の欄にある「不正解析」に記載してあります。

WhatIsMyIp.com」などの無料ツールにIPアドレスを入力することで、おおまかな位置情報を調査できますので、怪しいと思った注文はIPアドレスを調べてみてください。

引用元:https://www.whatismyip.com/ip-address-lookup/

メールアドレス・電話番号を検索する

不正注文の可能性が高いと感じた際は、注文時に登録してもらったメールアドレスや電話番号を、Googleなどの検索エンジンで検索するという方法も有効です。同じ情報で不正注文が繰り返されていた場合、不正注文に関する情報がヒットすることがあります。

また、登録してある電話番号に直接連絡するのも有効でしょう。

もしもその電話番号が使われていなかったり、全くの別人とつながってしまったりした場合は、不正注文の可能性が高いといえます。

不正注文の発生に注意するのはどんなとき?

不正注文は未然に防ぐことが重要ですが、下記3つのような「事前に注意すべきポイント」があります。

  1. 高額な注文の場合
  2. 請求先住所と配送先住所が異なる場合
  3. 不正注文で狙われる可能性の高い商品

以下、詳しく解説します。

高額な注文の場合

クレジットカードの不正利用などの注文の場合、高額な商品を購入されるケースが多いです。十数万円以上するような商品が購入された場合や、高額商品を大量に注文された場合は不正解析を必ずチェックしましょう。

請求先住所と配送先住所が異なる場合

クレジットカードの請求先住所と商品の配送先住所が異なる場合、不正注文である可能性があるため、不正解析をチェックするようにしましょう。

請求先住所と配送先住所は、注文ページの「顧客」欄で確認できます。

画像出典:Shopify

ただ、第三者へのプレゼントの場合や、引越し後にクレジットカードの請求先住所を変更していない顧客もいるため、その点は留意しておいてください。

不正注文で狙われる可能性の高い商品

クレジットカードの不正利用による注文は、商品購入後に転売されるケースも多いです。転売されるケースで狙われやすいのは、すぐに売却できる高額商品です。

下記のような商品を取り扱っている事業者は、注文があった際に不正解析を常にチェックしましょう。

  • ブランド品
  • 家電
  • PC関連機器
  • オーディオ機器

不正注文に遭った場合の対処法

ここでは実際に不正注文の被害に遭ってしまった場合の対処法について解説します。

注文をキャンセルする

不正の疑いが高い注文は、商品発送手続きを即座にストップし、注文をキャンセルしましょう。商品を発送していなければ、被害を受けることはありません。

注文のキャンセル手順は、下記のとおりです。

注文のキャンセル手順
  1. 管理画面から「注文」に移動し、キャンセルしたい注文ページをクリック
  2. 「その他の操作」をクリックし「注文をキャンセルする」をクリック
  3. キャンセルの理由を選択し「注文をキャンセル」というボタンをクリックしてキャンセル完了

すでに顧客からの支払いが完了し、商品も発送している場合は注文をキャンセルすることはできません。

不正解析を常にチェックするクセをつけ、不正注文は事前に対処しましょう。

カード会社に連絡する

注文情報を確認し、クレジットカードの不正利用が疑われる場合、早めにカード会社に連絡しましょう。カード会社が不正利用について調査し、カードの利用停止措置を取ってくれます。

不正利用されているカードが利用停止になれば、自社だけでなく他社への被害拡大も未然に防げます。

少しでも怪しいと思ったら、カード会社への連絡を徹底しましょう。

不正注文によるチャージバックへの対応方法

クレジットカードを悪用された人は「チャージバック」という保障を受けられます。チャージバックとは、クレジットカードが不正利用された際、不正利用分の代金を補償してもらえる制度です。

クレジットカード利用者には安心できる制度ですが、事業者は送付した商品は返品されず、売り上げ金も徴収されるため、チャージバックという制度が痛手になります。

不正注文によるチャージバック申請を要求された場合の対応方法を、下記4つのケースに分けて解説します。

  1. チャージバックを受け入れる
  2. チャージバック保険に加入しておき、補償申請をする
  3. カード会社に異議申し立てをする
  4. 警察に相談する

チャージバックを受け入れる

Shopifyではチャージバックに関する保障などはなく、チャージバック申請を受けた事業者はチャージバック分の代金を支払う必要があります。

カード会社に異議申し立てをしたり、警察に相談したりという対策もとれますが、手間と時間がかかります。商品代金が小さいものや、手続きが面倒な場合は、チャージバックを受け入れるという対応もやむを得ないでしょう。

チャージバック保険に加入しておき、補償申請をする

クレジットカード不正利用から事業者を守るために、チャージバックの代金を補償してくれる「チャージバック保険」などがあります。取引の数が増えてきて、一定数の割合で不正利用が発生するようであれば、保険料はかかりますがチャージバック保険に加入するのもおすすめです。

チャージバック保険に加入している場合は、保険会社に連絡して補償を受けましょう。

カード会社に異議申し立てをする

被害金額が大きければ、カード会社に異議申し立てすることも可能です。下記のような「不正である証拠」を提出したうえで、カード会社に異議申し立てをすると、チャージバックが解除される場合もあります。

  • 本人確認書類
  • 注文を受けた商品の明細書
  • 注文者とのメールなどのやり取り
  • 実際に商品が配送されたことを証明する書類
  • 配送先住所情報

ただし、異議申し立てをしても認めてもらえないケースも多いため、被害金額と異議申し立ての手間やコストを照らし合わせ、実行するかどうかを判断しましょう。

警察に相談する

不正利用でのチャージバックが発生した場合、警察に相談するという方法も検討しましょう。犯人が逮捕され、事件が解決するケースもあります。

事件が解決すれば、被害金額が返金されることもありますし、被害拡大防止にもつながるでしょう。

不正注文の防止策

不正注文で被害を受けないために、事前に防止策を徹底しましょう。不正注文は主に、下記2つの防止策が有効です。

  • 不正注文防止アプリのインストール
  • 不正注文検知用のワークフロー作成

以下、詳しく解説します。

不正注文防止アプリのインストール

Shopifyは不正注文を防止できるアプリがあります。

たとえばFraud Filterというアプリは、不正の可能性が高い注文があると警告を通知してくれたり、自動でキャンセルしてくれたり、未然に不正注文を防止してくれます。

利用料も無料(2024年2月時点)ですので、不正注文が不安な方は防止策としてインストールしておきましょう。

不正注文検知用のワークフロー作成

Shopifyで不正注文を防ぐために「Shopify Flow」の利用もおすすめです。Shopify Flowとは、Shopifyスタンダードプラン以上で使えるアプリで、事務的な作業を自動化できる機能をもっています。

たとえば、不正の可能性が高い注文を受けた際、警告通知を受けられるワークフローを設定したり、自動キャンセルするワークフローを設定できたり、不正注文を事前に防止できます。

Shopify Flowは無料で利用できるため、スタンダードプラン以上の方はインストールしておきましょう。

Shopify Flowに関する詳細は、下記の記事でまとめてあります。ぜひ参考にしてみてください。

Shopifyの不正注文を未然に防止して被害を防ごう!

今回の記事では不正注文を未然に防ぐ方法や、被害に遭ってしまった際の対処法などを説明しました。

ShopifyでECサイトを運営していて、注文数が増加してくると一定数の割合で不正注文をされてしまうことがあります。不正注文の被害で損失を出さないために、防止策を徹底しましょう。

かんたんな設定で不正注文を未然に防げることも多いため、警告メールの通知設定や不正注文防止アプリのインストールなど、すぐに対策しておきましょう。